'Tis a Long Way to Connaught

Connaughtは遠い

【宣伝】CD発売のお知らせ

 夏コミの季節になりました。

 例によってサークル「ジャージと愉快な仲間たち」がこの度C82で頒布する新譜『La Naturaleza Esconda 〜 隠された本性』にちょっとお手伝いで参加いたしました。主に特設サイト制作で。当のサイトは以下。

『La Naturaleza Esconda 〜 隠された本性』特設サイト
バナー

 今回も東方フォルクローレ風生演奏アレンジです。超厳しい日程で録音した割には、全体として今までになく高クオリティの作品に仕上がっていると思います。

 おすすめ曲はなんといっても5曲目Alma de Cinabrio。熱いフラメンコギター風のストロークを基調とするこの曲は、フォルクローレの枠を越えつつもラテンのパワーを原曲に吹き込んでいる良アレンジです。他にもフォルクローレの定番リズムを網羅した、民族音楽ラヴァーには是非聞いていただきたい作品です。

 今回は私は諸事情で録音には参加できなかったのですがまあ逆にクオリティアップにつながった説もないことはない・・・

サークルブログはこちら
http://d.hatena.ne.jp/jersey_zephyr/20120804/1344099503

涼しいは正義

 ちょっと駄文が書きたくなったので短く動画紹介でもする。

 去年中ごろブライアン・フィネガンとエイダン・オルーク率いるインスト・コンテンポラリー・フォークバンドKANが正式デビューして、ファーストアルバムSleeperを出したわけだが、これが予想通り傑作。FlookとLAUのフロントマン二人を中心にしたバンドだが、どちらのバンドとも決定的に違う先鋭的なそのサウンドは、もはやトラッドと呼ぶのはためらわれるくらいだ。伝統的な要素は極限までその連結を分解されて、フィネガンの個性的チューンの現代性として再構成されている。現代アイルランド(orケルト)音楽の極北として並び立つもののないバンドが生まれたことであるよ。

 とはいえ、正直な話私はもうちょっとトラッドらしい曲のほうが好きだ。Flookもオリジナルよりトラッドアレンジの方がツボだったし、LAUがまれにユニゾンとかし始めると否応なくテンションが上がるそんなタイプである。前衛的スタイルで伝統を再解釈するのが好みらしい。

 ファーストアルバムにはあまり入っていないけれど、KANも実は多少トラッドよりな曲も演奏している。多分作曲は最近のものだけれど、比較的リールなりジグなりの形式に忠実なもの。そういうやつの一つがアップされていたので紹介。

あーこういうのが欲しかったんだよ!!!もはやモードも逸脱したような不安定なやつじゃなくて(≒フィネガン節叩き)、こういう安心感のあるやつ。フィネガンとオルークによるシンコペーション多用のユニゾンもクソかっこいいが、それは異様にいい味を出しているジム・グッドウィンの実は単純なドラムスのおかげかもしれない。わちゃわちゃうるさくないけどダイナミクスのあるドラムスが、主役たるホイッスルとフィドルによる旋律を引き立ててるわけだ。KANらしさというものを考えたとき、旋律的にはフィネガンの斬新奇妙な楽曲があるとしたら、アレンジはグッドウィンにあると言ってもいいかもれない。トラッド風の楽曲ではこのアレンジの妙が堪能できるというわけである。

 KANは次からアルバムの半分をこんな感じにしていただきたいと願う私です。

Transatlantic Sessionsを振り返ろう −シリーズ3

 この間はシリーズ1を振り返ったので、今回はDVD待ちのシリーズ2を飛ばしてシリーズ3を見直してみようと思う。私が初めて触れた同シリーズであり、一番多く繰り返し見ていて、一番印象深いのがこれなので、すべての曲に触れたいのだけど、さすがに時間もないので前回と同じように1放送あたり1曲のペースで紹介することにする。

Transatlantic Sessions 3 [DVD] [Import]

Transatlantic Sessions 3 [DVD] [Import]

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Transatlantic Sessionsを振り返ろう −シリーズ1

 先日MusicScotland.comをふらっと訪ねてみたら、なんとTransatlantic Sessions 2のDVDが発売決定したというではないですか!1も3も4もHighland SessionsまでもすでにDVDになっているのに、1998年以来ややこしい権利関係でDVDが出せずCDだけが出されていたあの伝説のセカンドシリーズが。ついに。小躍りして即注文。9月末発売なので10月には届くなあ。楽しみすぎる。

 さらに9月にはBBCがシリーズ5を放送するとの情報も同時にキャッチ。DVDは12月発売。これもあわせて期待大。BBCはいい仕事しますな。

こんなせっかくの機会なので、これまでのTransatlantic Sessionsシリーズの軌跡をかるーく追ってみようと思い立つ。というわけで早速オリジナルシリーズ、いわゆるTransatlantic Sessions 1からちょろっと紹介をば。

Transatlantic 1 Vol.3

Transatlantic 1 Vol.3

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CD発売のお知らせ

久しぶりの更新が宣伝というのも味気ないが。

今夏のコミケC80にてサークル「ジャージと愉快な仲間たち」が頒布する新譜『Dos Fuerzas, Un Solo Futuro ふたつの力、ひとつの明日』にて、またもやちょこっとだけ演奏しましたので告知&宣伝致します。

特設サイトはこちら。↓
特設サイトバナー

今回も前回と同じく、アンデスの民族楽器による全曲生演奏の東方アレンジCDです。前回から半年ほど経ちましたが未だフォルクローレ風アレンジを作ってるサークルはここをおいて他にありません!特設サイトにはクロスフェードデモもありますので是非お聞き下さい。

委託販売についても前回と同じようにメロンブックスさんにお願いしております。興味があってもコミケには行かないという方は是非全国の店舗でお買い求め下さい。
http://shop.melonbooks.co.jp/shop/sp_213001009587_jersey_fuerzas.php

今回の聴きどころは何と言っても初っ端の「Oscurecimiento 〜暗転」かな。また例によってカルナバルのリズムだけど。フォルクローレファンならにやりとさせられるリフを織りまぜて、よりカルナバルらしさを追求。この夏にふさわしい熱い一曲になっております。あ、リフのサンカは私が吹いてます!(強調)
最後の2曲はオーボエ奏者を招いたボーナストラックで、これまた雰囲気の違うアレンジが楽しめます。前回も収録された「神々の恋した幻想郷」はオーボエ用にリアレンジされていて、前のと聴き比べてみても面白いかもしれません。

演奏もミックスも前回より格段にレベルアップしているのではと個人的には思います。まあ俺のサンカは相変わらずで申し訳ないかぎりですが・・・。興味がおありでしたら是非お手にとって頂けると。直接私に言ってくださってもOKです。

-MYTH- The Xenogears Orchestral Album

きっと周りの人には耳にたこができるほどに繰り返してると思うのだが、俺の人生に最も影響を与えたゲームは何と言ってもXenogearsだ。PS版は何周もしたし、アーカイブスに入ってから速攻でダウンロードしてPS3で一周、PSPで二周するほどに愛しているんだから、シナリオにせよデザインにせよ、そして何よりも音楽についても、俺の文化的な根本はゼノギアスのプレイ体験にあると言ってもいい。もう数えきれないほど聴いたサントラもアイリッシュアレンジアルバムのCREIDも、間違いなく俺の民族音楽への嗜好を養うのに圧倒的な影響を及ぼしている。大体いまだに10年以上前のゲームサントラを週3で聴くかって話ですよ。それ程に愛しているわけです。

そんなゼノギアスに関して、なんとこの2011年に、新規にオーケストラアレンジアルバムが出るというではないですか!これは買うしかないでしょう。スクエニの「沁み音」とかいうリメイク商法のCD版みたいな野暮な商売の一環ではあるのだが、今回ばかりは賞賛せざるをえない。まんまとスクエニの戦略に踊らされて、即ポチ。それがついに先月23日発売され、一日遅れでうちに到着した。

-MYTH-The Xenogears Orchestral Album

-MYTH-The Xenogears Orchestral Album

アレンジアルバムは、同人だろうが商業だろうが、単品の評価ってのはしにくい。原曲が御本尊のごとく鎮座していて、その上でそれをどういう別の角度から切り取りなおすかという話だからね。それでも出来る限り単一の作品として語ることもできるとは思うけれども、今回は作曲家たる光田康典先生自らのアレンジということだし、原曲との比較という観点で感想を連ねてみたい。13年たった今、あの名曲はどう形を変えて俺にアピールしてくれるのだろうか。

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CD発売のお知らせ

先日私がほんのちょっぴりだけど演奏その他で参加した東方アレンジCDが発売されたので告知いたします。特設サイトはこちら。

http://zephyr.halfmoon.jp/jersey/elpasadoausente/

東方シリーズの音楽をアンデス民族音楽風にアレンジすることをコンセプトに全音生楽器で録音した、サークル「ジャージと愉快な仲間たち」の初CDです。アイリッシュや邦楽など民族音楽風のアレンジCDは東方界隈にも数あれど、フォルクローレのリズムを活かしたアレンジは恐らく他にはありません。是非特設サイトでクロスフェード音源をお聞きになってみてください。

販売は今のところメロンブックスさんへの委託販売のみとなっています。リンク↓
http://shop.melonbooks.co.jp/shop/sp_213001008735_jersey_epa.php
本来はですね、3月13日に予定されていた博麗神社例大祭にて販売予定だったのですが、先日の大震災の影響で会場が封鎖されてイベントが中止になってしまったため、委託販売のみという形になってしまいました。どうぞ、お気に召しましたらメロンブックスさんのページから購入していただければ幸いです。原曲も素晴らしいものですが、この斬新ながら懐かしい音色で生まれ変わった幻想郷の音楽を楽しんでいただきたい。


全7曲が収録されていますが、特に個人的なおすすめは「天衣無縫」のアレンジ"Bailando en el Cielo"と、「博麗神社境内」とかの「花祭り」をマッシュアップした"La Hakureina"の2曲かな。前者はカルナバルトローテの形式をフルに活かしたかっこいい曲に仕上がっていますし、後者はリズムどころか曲を混ぜ込んでしまうという奇跡のコラボをかなり巧みに実現してしまっております。まあ、このうちどちらでも私は演奏しておりませんが(笑)

ちなみに私が担当したのは5,6曲目のサンカです。マジで聞き苦しくて他の奏者に申し訳ない感じでしたがミックスでいじってもらったので何とか聴けるレベルになったかと・・・